おきなわコラム > 第4回:絶滅方言・バンシルー

第4回:絶滅方言・バンシルー

 沖縄農園代表取締役 具志堅正秀(ぐしけんまさひで)によるコラム集

 最近は”グヮバ(グアバ・グァバという呼び方もある)”という、外来語に圧倒されて、年配の方以外は『バンシル〜』という方言名をトンと使わなくなりました。沖縄ではパパイヤ・パイナップル・シークヮーサーに続き、メジャーな食べ物ですが、本土の方は馴染みが薄いかもしれません。実際、日本で売られているのはジュースになったものですから、果実を見たことがなかったり、グヮバ・方言名『ばんしるー』自体知らないって方が大半でしょう。しかし、近年は沖縄や奄美地方、また東南アジアで食されて、病みつきに〜って方が増えてまいりました。


グヮバは独特の濃厚な味と香り、トロリとした食感が特徴のピンク色した可愛らしい果物です。沖縄では方言で『バンシルー』といわれていますが、その由来は中国語の播石瑠(バンシリュウ)をそのまま発音したものからきたようです。グヮバ自体、きっと中国から移植されたものと思われます。野生化したものも多く、その中には石バンシルーといってやたら石のように固いのもあります。


 さて、バンシル〜とは昔から使われている沖縄独自の方言名です。
沖縄の方言は日本語の古語を基調とし、それに中国語などの外来語が混じっています。標準語も同じですね。近年は欧米語の影響で新しい単語のみならず、カタカナ文字が幅を利かせています。沖縄の方言も近年、日常での使用が絶滅状態に近づきつつあります。バンシルーもその仲間入りです。 その他、ナンクァ(南瓜=かぼちゃ)、ウイグァ(脆瓜=きゅうり)、ウンチェー(温菜)なども自然消滅でしょう。


沖縄独自の方言(うちなーぐち)を守らなくてはいけませんが使用している方が少なくなってきているのが現状です。最近では、『うちなーぐちを守ろう会』なるものが活動し始め存亡への努力をしていますが、県民ひとりひとりがうちなーぐちを大切にしていこうという気持ちを育てて行かないと、消滅して行くことでしょう。。。