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第13回:プエルトリコにて

 沖縄農園代表取締役 具志堅正秀(ぐしけんまさひで)によるコラム集

 海外で出張のときは、時々、忘れられない出来事が起こります。

 24年前、初めて海外に仕事に出かけたとき、沖縄からプエルトリコ(四国ほどの大きさ)のサンファン&マヤグエスまで行きました。カリブ海に浮かぶ島プエルトリコは、最近米軍基地などの撤去問題で新聞に取り上げられたりします。米国の自治領で、政治的に沖縄と似たところがあります。

沖縄から成田(当時は国際線が就航していた)ハワイ、ロスアンジェルス、ニューヨーク、サンファン、マヤグエスと何も考えられないほどの忍耐と不安で長時間出張となりました。ロスの空港では端から端まで全力で走り、ニューヨーク行きに乗り込むと同時にドアが閉まった時は、息も絶え絶えになりました。ニューヨーク空港で朝まで待ち、乗り継ぎ、なんとかプエルトリコ、サンファンに着き、次はプエルトリコの田舎町まで飛行機で移動、空港のカウンターで往復航空券を購入し金を払いました、そのとき「ウエイト・・」とか何か言ったのですが聞き取れません。何度か聞きなおしたら、しまいには「キローキロー」と大声で言う始末。何か黄色いのでそういっているのかなと思ったりしました。大変な迫力でいうもので、立ちすくんでしまいました。そうこうしているうちにしかたないという表情でカウンター内に招き入れるではありませんか。そして、いちだん高いところにあるはかりのところに私を立たせるのです。そのときそこら中で大爆笑が起こりやっと体重のことを聞いているのだと理解しました、恥ずかしいやらなんやで、やっと係員が記入して次に移動になると、周り中の人たちが、お前の飛行機は向こうだ、とか笑いながら案内までしてくれました。(親切でした)

飛行機をみて納得、やたら小さい7,8人乗りです。それで体重をしつこく聞いたようです。

しかし乗客は2人のみ。心配する必要はないのでは、と思ううちにすぐ離陸。

簡単な単語がわからなかったので改めて、辞典をみてweight(体重)を確認していると もう一人の乗客がなんだかこちらを不安そうな目でじっと見ているではありませんか。最近日本復帰したウチナーンチュ、ニッポンジンになったばかりの私が珍しいのかな。しかし、落ち着かないそぶり、目を合わせ微笑むと、ひと言、Are you a communist?というではありませんか、一瞬何のことかなとまた頭がくるくる回りだしました。なに・・?コミュニスト?共産主義者?久しぶりに聞く単語、なんだか辞典に震え気味に指さすではないですか、赤い表紙、・・今度はすばやく理解、すぐにNo、I am not a communist、look!It is English dictionary.といって、中身を見せたら、相手は大きく息をはいてフーと安心したような顔になり、また、大笑い、これは私が受験勉強のころ愛用していた有名な赤尾の豆単、英語の辞典、そういえば中国毛沢東思想のスローガン小冊子に似ているのです。中国の紅衛兵がさかんに振り回していました。実は、私は今でも、毛沢東思想の何節かのスローガンは覚えていて言えます。

キューバの近くであるプエルトリコは以前共産主義者による、プエルトリコ解放闘争が盛んで武装闘争やテロなどが多かったとのこと、考えれば無理ないかもしれませんね。少しお話をして、小さい町の飛行場に到着、仕事が始まりました。