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第14回:皇帝になる

 沖縄農園代表取締役 具志堅正秀(ぐしけんまさひで)によるコラム集

 中国では人口抑制の政策で一人っ子政策がとられているのは、皆さんご承知のことでしょう。最近はその一人っ子政策が家庭環境や社会に与えるさまざまな影響が懸念されているそうです。中国は近いうちに世界でもまれに見るスピードで少子高齢化社会に突入し、日本以上に老人大国になるのではないかと言われているそうです。一人っ子政策がこの先十数年も続くようであればそうなるでしょう。

いま、一人っ子は家庭では6人の大人から大事にされてまるで皇帝の子供のように扱われている例も多いと聞きます。そのような子供はまさに「小皇帝」と呼ばれていて、甘やかされているようです。親の世代のハングリー精神が失われると言われています。しかし、中国は人口があまりにも多いので社会的な競争が激しいので一概には言えないかもしれませんね。

なんでコラムに皇帝の話を書くかといえば、沖縄には昔から皇帝が多かった?   からです。いまでもたくさんいます。

 そうです、少しわがままで甘えん坊さんの子供を皇帝と呼ぶのです。沖縄方言でそのような子供をフンデェーワラビ(童)呼びます。またはフンデェーしているというのです。中国語で皇帝はフォンディと発音します。少しなまっていますが同じです。やはり皇帝ともなるとわがままで何でもほしがり、そのくせ甘えん坊さんなんでしょうね。沖縄はちゃっかりとそのような表現を中国から頂戴しました。今でもおもちゃのコーナーで泣きほしがり駄々こねる子供を見て「フンデェーしているサー」と通りすがりに年配の方がいいます。よく眺めたらあちこちに皇帝たちがいます。今、日本中に皇帝があふれています。

それから、赤ちゃんのことを方言でボウボウと言ったりします。これは宝宝、中国語ではバオバオ同じく赤ちゃんのことです。社会の宝物、何かすごい表現ですね。そのほか、お母さんのことはアンマー(中国の地方語にも似た表現があります)なども語源的には一緒だと思います。

 古い大和言葉をもとにしている沖縄方言ですが、中国交易の影響が大きく生活文化習慣に与えていたことが、何気ない言葉にあらわれていて面白いと感じます。また、風習、芸能、食文化の面でも面白い言葉のルーツがありますが、次の機会にしましょう。